カスタマーサクセスとはプロダクトを通じた顧客の成功支援

「カスタマーサクセス」という言葉を目にしたことのある人が増えてきたのではないでしょうか。SaaS経営者やCS責任者から話を聞くと、馬田さんのスライドをきっかけに興味を持った人が多いようです。顧客からの質問・要望を受動的に回答するカスタマーサポートに対し、顧客がプロダクトを通じて達成したい事柄に道筋を付け、時には能動的なコミュニケーションを行いながら顧客の成功を支援することをカスタマーサクセスと呼びます。

カスタマーサクセス実践のためには経営者のコミット、企業文化や組織作り、顧客の成功の定義と実践・測定、取巻くツールの良し悪しなど多くの変数と乗り越えるべき壁が存在します。それぞれについては追ってまとめるとして、まず本稿でフォーカスしたいのは、タイトル通り「SaaSスタートアップが今すぐカスタマーサクセスに取組むべき理由」です。

チャーンの大きさが企業の成長率に直接の影響を与える

まずはこちらをご覧ください。

カスタマーサクセスは企業の成長に直接の影響を与える

逆説のカスタマーサクセスより
Negative Churnとは簡単に言うと既存顧客のアップセルを指します。スライドに説明が記載されていますが、離脱を抑え顧客がプロダクトへの追加投資を行ってくれる状態を築くことで、長期的な売上高に大きな影響を与えます。金融でいう複利の概念と同じですね。SaaSスタートアップにとってMRR(月間経常収益)及びARR(年間経常収益)は企業価値に直結するため、早期の着手をオススメします。

競合が増えると顧客の満足度が低下する

競合が増えると顧客の満足度が低下する

The State of the SaaS Economyより
海外の調査結果からSaaSへのロイヤルティを表すNPSがこの5年間で1/3に低下していることが分かります。驚きなのはこれが特定プロダクトの値ではなく、平均値である点。特にアメリカでは1カテゴリに属するSaaSの数が増え顧客の選択肢が増加したことで、プロダクトへの満足度が相対的に低くなっています。

これはSaaSスタートアップが増加傾向にある日本でも近い将来同じ状況に陥る可能性は高いはずです。満足度の低下はアップセル機会の減少と離脱率の上昇に繋がりやすく、カスタマーサクセスが競合優位性の源泉になり得ると言えるでしょう。

カスタマーサクセスが競合優位性の源泉になり得る

The State of the SaaS Economyより
顧客開発、つまり顧客のことを深く理解したプロダクトの開発を積極的に行っている企業とそうでない企業では成長率に3倍もの差が出ています。冒頭のNegative Churnのシュミレーション結果の正しさを証明するデータであり、これも2012年より2017年の方が差が大きく開いています。

一方で日本国内では「既存顧客への対応」を行う部隊をコストセンターと捉え、できうる限り費用を圧縮したい企業が多いようです。SaaSスタートアップを支援するSaaS Capitalの調査データに、SaaS企業が何に費用を支出しているのか、その割合がまとまっています。

SaaS企業が何に費用を支出しているのか
年間売上が$10M以上のSaaS企業にとって、セールスへの投資割合が18%に対しカスタマーサクセスへの投資は14%と肉薄しており、このことからも成長企業がカスタマーサクセスの重要性を認識し多大な投資を行っていることが分かります。

まとめ

海外の事例を中心にデータを抜粋しましたが、まとめると以下の通りです。

SaaSスタートアップが今すぐカスタマーサクセスに取組むべき理由
ヘルススコアで顧客の状態を可視化する、SaaS向けカスタマーサクセス管理ツール「HiCustomer」

さいごに

「カスタマーサクセスの重要性は分かったけれど、どうすれば実践できるのか」については、このメディアで海外最新事例や国内企業の取り組みを取り上げていくのでぜひRSSへの登録やFBページへのLikeをお願いします。また、各社の実例が知りたい経営者、横の繋がりが欲しいCS担当者向けのFBグループを用意しています。

カスタマーサクセス分科会 -B2B Tech Research-

7月から試験的に運用してきましたが、グループ内での議論を活発化していきます。カスタマーサクセスの導入にご興味のある経営者やCSご担当の方は興味があればご参加ください。

SaaSスタートアップが今すぐカスタマーサクセスに取組むべき理由

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