顧客との関係性はSaaSにとって生命線

マーケティングやセールスを経てようやく獲得した顧客も、1日で解約されてしまっては元も子もないのがSaaSのビジネス。SaaSは顧客と契約を結んでからの関係性を維持・発展できるか否かが利益の最大化において非常に大きな問題となります。

「顧客との関係性」とは先方担当者とのリレーションだけでなく、プロダクトが顧客の課題を継続的に解決しているか、競合や代替手段と比較しても合理的な解決手段で有り続けているかといった、プロダクトと付帯サービスが持つ独自の提供価値を指します。

そしてこの関係性が悪化すると、次第に顧客はプロダクトから離れていくことになるわけですが、当然全ての顧客に同一の離脱回避施策を行うわけにはいきません。SaaSの場合、顧客をライフサイクルに分類し施策を打つのが効果的です。

顧客のライフサイクルに沿った対応がLTVに大きな影響

サービスごとに定義が異なったりより細かい管理を行うケースもありますが、ざっくりとSaaSのライフサイクルのステージをこのように分類できます。

SaaSの顧客ライフサイクル

Onboardは顧客がプロダクトを使い始めたばかりのステージを指します。顧客はプロダクトの使い方や提供価値をを十分に理解しておらず、理解までの時間が長くなるほど離脱の可能性が高まります。プロダクトのセットアップが完了していなかったり、特定の機能を使っていない顧客に対してプロアクティブなサポートを行うことで離脱率を軽減することが可能です。

顧客が定常的にプロダクトを使ってくれているAdoptのステージでは、利用率の低下をモニタリングし解約を事前に防いだり、エンゲージメントを高めより多くの機能やサービスを使ってもらえるExpandまで持っていくことがカスタマーサクセスの役割となります。Expandのフェーズまで顧客のエンゲージメントが上昇していればアップセル&クロスセルでARPUが上がったり、新規の顧客の紹介成功率が高まるでしょう。

カスタマーサクセスで理想的な顧客像に近づける

ライフサイクルを定義したら、各ステージにおける理想的な振る舞いを行う顧客像を定量的に定義し、この状態に近づけられるよう各顧客へ対応を行います。

顧客像の具体例として、架空の経費管理SaaS《経費精算太郎》を例に説明します。《経費精算太郎》はWebで使えるシンプルな経費管理サービスで、管理者がセットアップの後社員を招待し、月次の経費を申請してもらうと経費の支払いが可能になるサービス、という設定です。

経費精算太郎におけるステージ別顧客像

それぞれの顧客の状態を分析し、著しく乖離している顧客に対してはプロアクティブな対応を行い、ライフサイクルの次のステージに進めるようコミュニケーションを行いましょう。

まとめ

本稿では契約後の顧客をライフサイクルに分類、それぞれの顧客のステージの理想的な顧客像を定義し、顧客の利用状況を確認しながら理想的な顧客に近づけるコミュニケーションの重要性について説明しました。次回はプロダクトのLTVに最も影響を与えるOnboarding施策について細かく説明します。

ヘルススコアで顧客の状態を可視化する、SaaS向けカスタマーサクセス管理ツール「HiCustomer」

さいごに

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カスタマーサクセス分科会 -B2B Tech Research-
7月から試験的に運用してきましたが、グループ内での議論を活発化していきます。カスタマーサクセスの導入にご興味のある経営者やCSご担当の方は興味があればご参加ください。

カスタマーサクセスの成否を分ける顧客ライフサイクル管理